吃音カフェ東京|注文に時間がかかるカフェとは・開催7区と次回

吃音カフェ東京|注文に時間がかかるカフェとは・開催7区と次回
目次

「吃音カフェ」という名前を耳にして、東京で行ける店を探してみた。けれど、店の名前も住所も見つからない——そんなところで立ち止まっていませんか。この名前で呼ばれているのは、吃音のある若者が一日だけ店員になる催しで、正式には「注文に時間がかかるカフェ」といいます。決まった店を持たないので、場所から探すと見つからないのです。

この記事では、まずこのカフェが何なのかを、公式ページと日本財団の取材記事で確かめます。そのうえで、東京で開かれてきた区と、東京大学の研究センター(UTCP)と組んだ笹塚の回などの具体的な回、次の回の確かめ方を並べます。吃音のある人が客として行くときのこと、注文の一言が怖い人に向けた研究、当事者どうしで話せる東京の場と相談先についても、日本吃音・流暢性障害学会の解説などの出典つきで書きます。

この記事は情報提供を目的としたもので、診断や治療の判断に代わるものではありません。気になる症状があるときは、言語聴覚士やことばの教室にご相談ください。

まず結論から

  • 「吃音カフェ」の正式な名前は「注文に時間がかかるカフェ(Slow Order Cafe)」です。言葉が出にくい吃音のある若者が、接客の夢に挑戦するために店員として立つカフェで、公式ページは吃音の有無を問わず誰でも利用できると書いています。
  • 始まりは2021年8月21日、東京・世田谷で一日だけ開かれたカフェでした。常設店はなく期間限定で全国をまわっていて、2025年9月の時点で38都道府県で開かれてきたと、東京大学の研究センターの告知は書いています。
  • 2026年8月4日に取得した公式ページの一覧には、東京の8つの区が並びます。日付が過ぎた回があるのは世田谷・中野・品川・大田・渋谷・港・台東の7つの区で、2025年9月の渋谷区の回は、笹塚で「急がなくていい吃茶店」という別の名前で開かれました。
  • 同じ一覧で東京の次の回として載っていたのは、2026年11月7日の荒川区です。予約制の回は開催の約2週間前に公式サイトとXで案内され、一般のお客さんを募集しない回もあります。2026年8〜9月の東京の3回には、どれも「お客様一般募集なし」と書かれていました。
  • 公式ページはこのカフェを「吃音のある人同士の交流というよりは、一般のカフェ」と位置づけています。当事者どうしで話せる場を探しているなら、東京言友会の例会など別の場があります。

ただし、日程はどれも2026年8月4日に取得した公式ページの記載で、その後の変更はこの記事に反映できていません。11月7日の回も、一般のお客さんを募るかどうかまでは一覧から読み取れません。出かける前に、必ず公式サイトとXでご確認ください。

吃音カフェとは——吃音のある若者が、一日だけ店員になるカフェ

「吃音カフェ」は通称で、公式の名前は「注文に時間がかかるカフェ」です。名前だけを聞くと、どこかにある店のように思えます。けれど、このカフェを知った人の多くは、店先ではなく画面の向こうで出会っています。

専門学校生のころ、チェーンのカフェで食器洗いのアルバイトをしていた吃音当事者(個人ブログ note)

YouTubeで「注文に時間がかかるカフェ」というプロジェクト動画を見たことがある。これは吃音を持ちながらも接客業に憧れる学生たちが店員として1日カフェに立つ、というものだ。

なんて素敵な企画なのだろう。もっと若い時に知っていたら参加してみたかった。

吃音が理由で将来に不安や自身が持てない若者たちの背中をそっと押してくれるような、こんなやさしいプロジェクトがもっと増えたらいい。

高校を卒業して地元の専門学校に進んだとき、この人がアルバイトに選んだのは、チェーンのカフェの食器洗いでした。本当にやりたかったのは接客でしたが、自分にはハードルが高すぎると考えたのです。面接では吃音のことを話し、店長は快く迎え入れてくれたと書いています。仕事に慣れたころ「レジをやってみないか」と声をかけられましたが、その誘いは断りました。このカフェを知ったのは、それからずっとあと、動画の中でのことです。多くの人にとってこのカフェは、訪ねていく店ではなく、映像や記事で知る催しです。どういう場なのかは、公式ページ自身が説明しています。

出典: 吃音があったってカフェ店員やりたいし、やっていい(note・shima)(台帳: V0153)

公式ページは、このカフェを「たまに時間が止まる」カフェと紹介しています。働くのは言葉が出にくい吃音のある人たちで、言葉はスラスラでなくても、みんな接客業の夢を持っている——そういう人たちが働くカフェだ、という説明です。吃音は、話し言葉が滑らかに出ない話し方のことで、時間が止まったように感じるのは「難発」という症状、ほかに音を繰り返したり引き伸ばしたりする症状もあると書かれています。

開き方にも特徴があります。接客をしたい若者や企業からの依頼で開くため、決まった地域での定期開催や常設店はありません。就労継続支援事業所のブログも、常設店はなく、全国のさまざまな場所に出張して1日だけのカフェとして営業すると紹介しています。

始まりは2021年8月21日、東京・世田谷での一日限りの開店でした。主宰者は自らも吃音のある人で、当事者の学生たちを集めてスタッフになってもらったと、日本財団の取材記事は伝えています。このとき接客マニュアルは用意せず、「いらっしゃいませ」の一言が言えずに接客業を諦める人もいることから、「こんにちは」「どうも」のような自分の言いやすい言葉で接客してもらったといいます。その後も常設店を持たずに期間限定で全国をまわり、2025年9月の告知の時点で38都道府県で開かれてきたと書かれています。

客として来てよいのは誰か。公式ページは、吃音の有無を問わず誰でも気軽に利用できる、一般のカフェだと書いています。来店する人へのお願いは4つです——言い終わるまで待つ(遮ったり、先回りして代わりに言ったりしない)、アドバイスしない、真似しない、他の人と同じように接する。2つめには理由も添えられていて、緊張していて吃っているわけではないので「リラックスして」「ゆっくり話せばいいよ」と言わないでほしい、と書かれています。緊張と吃音の関係そのものは緊張と吃音の記事で扱っています。

東京ではどこで開かれてきたか——笹塚の「吃茶店」、平和島の回、次の回

常設店がない以上、東京で行くには「どの日に、どの区で開かれるか」を知る必要があります。そしてその日は、誰かが場所を用意して頼むことで決まります。まず、開く側に回った人の言葉から見てみます。

前の年に神戸の回へスタッフとして参加し、翌年、自分の大学の学園祭で開催を企画した吃音のある大学3年生(大学の公式発表。本人のコメントを含む・2023年10月。東京の回ではありません)

「私が経験した過去の辛い体験を子どもたちにしてほしくない。同年代の大学生など1人でも多くの方に『吃音症』を知ってもらいたい」と開催にかかる費用をクラウドファンディングで募り、開催に漕ぎ着けました。

この学生は前の年、神戸で開かれた回にスタッフとして参加し、多くの人から温かい言葉をかけてもらって勇気と希望が持てるようになった、と大学の発表は書いています。その経験から、今度は自分の大学の学園祭で開くことを企画しました。当日は他大学の学生とあわせて5人が接客に立ち、吃音のことや注文に時間がかかる理由を説明しながら、コーヒーやココアなどの飲み物を無料で出すと案内されています。店員として立った人が、次は場を用意する側に回る。開催地が毎回変わるのは、頼む人が現れた場所にカフェが出向く仕組みだからです。

出典: 吃音のある学生が学園祭で「注文に時間がかかるカフェ」を開催(大学の公式発表・PR TIMES)(台帳: V0551)

2026年8月4日に取得した公式ページの一覧では、東京都内の開催として8つの区・16行が並んでいます。いちばん古いのは2021年8月21日の世田谷区で、そのあと中野・品川・大田・渋谷・港・台東と続き、いちばん新しい行は2026年11月7日の荒川区です。場所を用意したのは、企業、大学、カフェ、駅前のマルシェ、個人の開催とさまざまです。

このうち2つの回は、公式ページの外にも記録があります。2025年9月15日の渋谷区の回は、東京大学の研究センター(UTCP)との初めての共同開催で、「急がなくていい吃茶店(きっさてん)」という名前で、渋谷区笹塚の「笹塚十号の家」で開かれました。吃音のある学生たちが接客に挑戦し、ドリンクは全品無料。そのかわり、学生たちの悩みの相談に乗ってほしい、解決を急ぐ必要はなく、ただ聞いてくれるだけでもいい——と来場者に呼びかけていました。予約は不要で、定員は40名程度と案内されています。

もう一つは大田区です。公式ページの一覧には2023年6月25日の大田区の行があります。同じ年の7月11日には、東京新聞が大田区・平和島での回を「吃音の店員さん、笑顔紡ぐ1杯 平和島で『注文に時間がかかるカフェ』 地元の中学生が企画」という見出しで伝えました。記事の後半は会員限定なので、ここでは見出しと写真の説明だけを確かめています。写真の説明からは、来店客に吃音についてのクイズを出す接客スタッフ、「最後までお話しを聞いて欲しいです」というメッセージが書かれたマスク、吃音をテーマにしたスピーチがあったことが分かります。

では、次はいつか。2026年8月4日に取得した一覧で、東京の次の回として載っていたのは2026年11月7日の荒川区でした。その前の8月20日の品川区、8月26日の港区、9月5日の渋谷区の3行には、どれも「お客様一般募集なし」と添えられていました。公式ページによれば、予約制の回は開催の約2週間前あたりに公式サイトとX(旧Twitter)で案内され、主催者の希望で一般のお客さんを募集しない回もあります。日程が出ていても入れない回があり、入れる回の案内は直前に出る。この2つを知っておくと、見逃しが減ります。

見逃しは実際に起きています。就労継続支援事業所のブログの書き手は、自分の住む地域に来ていたこともあったのに、当時知らなかったため行けなかったのが残念だと書いています。

この一覧には、同じ日付(2023年5月3日の中野区)が曜日ちがいで二重に載っている行があるなど、表そのものに揺れがあります。この記事では「公式ページにそう書かれている」という事実として扱い、個々の回が実際に開かれたかどうかまでは確かめていません。

店員として立つのは、どんな若者か

このカフェの主役は、店員として立つ側です。どんな人が、どんな気持ちで応募しているのでしょうか。東京のすぐ隣、埼玉で初めて開かれた回の記事から見てみます。

埼玉県で初めて開かれた回(越谷市・2023年10月)に、店員として参加することになった吃音のある大学4年生の男性(地元紙の記事)

教師を目指し講師のアルバイトをしていた塾で集団授業中、吃音の症状が出たことがある。言いたいことがあるのに、口から出てこない。「先生どうしたんだろう」「早く授業をしてほしい」。生徒たちのまなざしがつらかった。

吃音を理由に接客の仕事を避けていたが、7日の吃音カフェに初めて参加することになり、「店員として一生懸命働いてみたい。お客さまの明日への活力になれたら」と笑顔を見せる。

記事によれば、この人の吃音は高校1年生のときに始まりました。教師を目指して塾で講師のアルバイトをしていましたが、接客の仕事は吃音を理由に避けてきました。この回で店に立つのが、その初めての機会です。この回は事前予約制で、記事が出た時点ですでに満席でした。店の側では、受け付けのときに吃音や店の仕組みを説明し、理解してくれた人に利用してもらっていると紹介されています。スタッフは、吃音のある高校生以上の学生を対象に募集されているとも書かれています。同じ立場の若い人が集まる場の前と後で何が変わるのかを、測ろうとした研究もあります。

出典: 注文に時間がかかります…埼玉初の「吃音カフェ」7日、越谷で開催 当事者が接客「明日の活力になれたら」(埼玉新聞)(台帳: V0349)

2021年の最初の回で取材を受けたスタッフは、大学4年生、高校3年生、高校1年生の3人でした。応募した理由として、進路を考えるなかで吃音を理由に夢を諦めてしまう自分がいたこと、吃音があることをオープンにして働くのは貴重な経験になると思ったこと、5年ほど続けた接客のアルバイトを吃音で言葉が出なくなったのをきっかけに辞めたが諦めきれなかったこと、が語られています。そのうちの1人は、社会に対して「何もしてくれなくてもいいから、まずは知ってほしい」と話しています。

店員として立ちたい場合は、公式ページに「スタッフに応募する」の窓口が置かれています。最初の回のスタッフの1人も、主宰者のSNSでスタッフ募集の告知を見つけて応募したと話しています。ふだんのアルバイトで「いらっしゃいませ」が出にくい人の工夫は、吃音とレジの記事にまとめています。

このカフェそのものを調べた研究ではありませんが、近いものとして、吃音のある若者の全国団体が開く数日間の年次大会に参加した10〜18歳の22人を調べた研究があります。吃音が生活にどれくらい否定的な影響を与えているかを測る質問紙の得点は、大会の前と直後を比べて有意に下がっていました。ただしこれは比較のための対照群を置かない前後比較で、一日だけのカフェとは形も長さも違います。同じ質問紙は大会の3か月後にも実施されていますが、そこまで差が続いたかどうかは抄録に書かれていません。

吃音のある人も、客として行っていい

待ってください、真似しないでください——このカフェのお願いは、どちらかといえば吃音のない客に向けた言葉に聞こえます。けれど、客の側に吃音のある人がいてもかまいません。実際に、客として訪れた人の言葉があります。

那覇で開かれた回を訪れた、吃音のある男性客(沖縄の放送局のニュース・2025年7月。東京の回ではありません)

「僕も20歳のときにアルバイトをやったんですけど、接客業を始めたきっかけも自分をかえたい、強いていば吃音を治してたくてバイトを始めたんですけど、今は治すではなくて『吃音』と向き合っていこうかなって思う」

この回は、沖縄県内で吃音の当事者が接客を担う初めての取り組みでした。ニュースによれば、那覇市内のホテルに設けられた会場には吃音のある当事者やその家族およそ30人が訪れ、入口では店員が4つのお願いをゆっくり読み上げてから接客を始めました。接客の合間には、学校生活での困りごとや、周りの人に配慮してほしいことを説明していたと伝えられています。発起人は、近所の人がたくさん来ると思っていたら、吃音のある人や家族を持つ人が意外に多く来て驚いたと話しています。この男性も、客としてその場にいた一人です。客の側から見たこのカフェの位置づけは、公式ページに書かれています。

出典: 県内初開催 吃音の若者が働く一日限定カフェ(琉球朝日放送 QAB NEWS)(台帳: V0351)

公式ページは、このカフェを「吃音のある人同士の交流というよりは、一般のカフェ」と位置づけたうえで、吃音の有無を問わず誰でも気軽に利用できると書いています。笹塚の回の告知も、急ぐのが当たり前の毎日に気疲れしていないかと問いかけ、お客様も店員も「急がなくてもいい」カフェでゆったりした時間を過ごしませんか、と呼びかけていました。急がなくてよいのは、店員だけではありません。

とはいえ、注文のときに言葉が出にくいことを先に伝えるかどうか、どう振る舞えば楽かは、人によって違います。公式ページも、症状も対処法も人によって大きく異なるので、吃音の人はこうすれば良いという決まった方法はない、と書いています。

注文の一言が怖い人へ——先に伝えるか、どう伝えるか

カフェに限らず、レジや食堂での注文を苦手な場面に挙げる人がいます。言う言葉は決まっていて、後ろには列ができている。次の手記の書き手も、その一人でした。

大学時代、学食で注文できずに昼は寮へ帰っていた吃音のある男性(日本吃音臨床研究会のサイトに再掲された、第16回ことば文学賞の受賞作。執筆時36歳・支援学校教諭)

ある日私はふと思い立って、学食の列に並び、大声で注文してみようと考えた。思い切りどもるかも知れない。それでも構わない。私は顔見知りの学生たちの列に並び、前から食べてみたかった「牛トロ丼」を注文することにした。順番が来る。「ぎゅぎゅ…牛トロ丼下さい!」少しどもったが何とか注文できた。誰も私のことなど見ていない。なあんだ、こんなに簡単な事だったのか。

北海道の田舎町の大学に進んだこの人にとって、最初の試練は昼食でした。学食は列に並んで声を出して注文する仕組みで、学生数600人にも満たない顔見知りばかりの大学で、注文できない姿を見せることに耐えられなかった、と書いています。午前の講義が終わると寮へ帰り、自分で昼食を作ってしのぐ日々が続きました。その寮の台所で留学生と知り合い、やがて自分もアメリカへ渡ります。上の場面は、帰国したあとのある日のことです。長く避けてきた列に、自分から並んだ一度の記録です。注文の場面で何をどう伝えるかについては、研究の側にも手がかりがあります。

出典: 第16回ことば文学賞~昼飯の問題~(吃音と上手につきあうための吃音相談室・日本吃音臨床研究会)(台帳: V0158)

吃音のある人が自分から「吃音があります」と相手に伝えること(自己開示と呼ばれます)について、研究を決まった手順で集めて整理した論文(系統的レビュー)があります。対象になった量的研究18件のうち15件で、自己開示は全体として好意的な影響を持っていました。伝え方を条件として比べた研究では、13件のうち12件で、謝る形で伝えたり何も伝えなかったりするよりも、謝らない形で伝えたほうが好意的に受け止められていました。著者らは、否定的な思い込みを向けられるかもしれないという負担(ステレオタイプ脅威と呼ばれます)をやわらげるために、謝らない形の自己開示を使うことを支持する結果だと結論づけています。

ただし、伝える場面による違いを調べた研究は少ない、とレビュー自身が書いています。レジやカフェで注文するときに伝えるとどうなるかを、直接確かめた研究ではありません。そして、伝えるかどうかを決めるのは本人です。

このカフェでは、店員の側が伝え方を文字で見せる工夫をしています。公式ページによれば、その人がどんな対応を求めているかが一目で分かるよう、マスクや名札にメッセージを書いています。最初の回の主宰者は、同じ当事者でも、最後まで話を聞いてほしい人もいれば、途中で助け舟を出してほしい人もいて、「リラックスしてね」という言葉にプレッシャーを感じる人もいる、とその理由を話しています。大田区の回でも、「最後までお話しを聞いて欲しいです」と書かれたマスクが写真に写っていました。客として注文する側が、言いたいことを書いたカードを見せるやり方については、吃音カードの記事で扱っています。

カフェとは別に、東京で吃音の話ができる場

公式ページが書くとおり、このカフェは当事者どうしの交流の場というより一般のカフェです。吃音のある人どうしで話したいなら、行き先は別にあります。東京で毎月開かれているものを2つ挙げます。

一つは東京言友会の例会です。吃音のある人どうしが集まって話す会で、こうした会はセルフヘルプグループ(自助グループ)と呼ばれます。公式サイトによれば、例会は月2回。第2週土曜が巣鴨の事務所で15時から17時まで、第4週金曜が三田の東京都障害者福祉会館で18時30分から20時45分までと案内されています。入会前の見学は歓迎で、事前の連絡もいらず、途中から参加しても途中で退室してもかまわないと書かれています。参加費は、会員以外は初回無料・2回目以降500円と案内されています(2026年1月1日改定)。Zoomでのオンライン交流会が開かれることもあり、ビデオも音声もオフのまま参加できると書かれています。

もう一つは、同じ東京都障害者福祉会館(港区芝5-18-2)での吃音の相談枠です。会館が主催し、東京言友会の相談員が対応します。同じ立場の人が相談に乗る形で、こうしたやり方はピアカウンセリングと呼ばれます。毎月第4日曜の13時30分から16時30分まで、費用は無料で、会場へ直接行っても電話でも利用できると案内されています。

東京で毎月開かれる3つの枠の曜日と時間帯。東京言友会の例会は、第2週土曜が巣鴨で15:00〜17:00、第4週金曜が三田で18:30〜20:45。東京都障害者福祉会館の吃音相談は第4日曜の13:30〜16:30で、費用は無料。土曜の午後・金曜の夜・日曜の午後と、時間帯が分かれている
図1: 東京言友会の例会と、東京都障害者福祉会館の吃音相談は、曜日も時間帯も違う。出典: 一般社団法人 東京言友会 公式サイト/同「東京都吃音者相談会」(2026年8月30日閲覧).

全国組織である全国言友会連絡協議会は、子どもの吃音への対応の確認や医療機関の紹介といった個別の相談には原則として応じられないとし、希望する場合は近くの加盟団体に連絡してほしいと明記しています。学会の解説によれば、こうした自助団体では、吃音のある当事者が「吃音があるのは自分だけではない」と認識し、共通の体験を語り合い、苦悩を分かち合い、互いに援助し合うことが、おおむね活動の中心です。例会で実際に何をするのかや、初めて参加した人の記録は、言友会の記事にまとめています。

話しにくさそのものを相談したいとき

カフェも当事者会も、医療や訓練の場ではありません。話しにくさそのものを相談したいときの行き先は、学会の解説が案内しています。子どもについては、年齢や状態に合わせた指導を、小児を扱う言語聴覚士や、ことばの教室の教員に相談するよう勧めています。中高生以上や大人でも、本人が治療を希望する場合は、言語聴覚士による発話訓練を受けるという選択肢がある、と書かれています。次のようなときは、専門家への相談も考えてみてください(あくまで目安で、当てはまらなくても相談してかまいません)。

  • 話しにくさのために、学校や職場で必要な連絡や発表ができなくなってきた
  • 話す場面や注文の場面を避けることが増えて、生活の範囲が狭くなってきた
  • 子どもの吃音が続いていて、園や学校での様子が気になる

治療や訓練として何が行われているかは、この記事の範囲を超えます。吃音の治療についての記事に別途まとめています。

「東京の吃音カフェ」で陥りがちな3つの落とし穴

落とし穴1 − 店舗を探し続けて、案内を見逃す

公式ページ自身が、決まった地域での定期開催や常設店はないと書いています。探すものを「店」から「日付」に切り替えるのが近道です。予約制の回は開催の約2週間前あたりに公式サイトとXで案内されると書かれているので、それより早く探しても、まだ出ていないことのほうが多いはずです。

落とし穴2 − 名前の違う回を見落とす

2025年9月の笹塚の回は「急がなくていい吃茶店」という名前で告知されていました。公式ページの一覧では、この回は「東京都渋谷区(東京大学様)」としか書かれていません。組んだ相手の告知では名前が変わっていることもある——少なくともこの回はそうでした。

落とし穴3 − 当事者どうしで語り合う場だと思って行く

公式ページは、このカフェを「吃音のある人同士の交流というよりは、一般のカフェ」と書いています。客として行くのはもちろんかまいませんが、悩みを語り合える仲間を探しているなら、東京言友会の例会や、東京都障害者福祉会館の吃音相談のほうが目的に合っています。

よくある質問

吃音カフェとは何ですか?

正式な名前を「注文に時間がかかるカフェ」といい、言葉が出にくい吃音のある若者が、接客の夢に挑戦するために店員として立つカフェです。2021年8月に東京・世田谷で一日だけ開かれたのが始まりで、その後も常設店を持たず、期間限定で全国をまわっていると紹介されています。

東京に常設店はありますか?次はいつですか?

公式ページは、依頼を受けて開くため決まった地域での定期開催や常設店はないと書いています。2026年8月4日に取得した公式ページでは、東京の次の回は2026年11月7日の荒川区と載っていました。予約制の回は約2週間前に公式サイトとXで案内され、一般のお客さんを募集しない回もあるので、最新の情報は公式サイトでご確認ください。

吃音のある人が客として行ってもいいですか?

公式ページは、吃音の有無を問わず誰でも気軽に利用できると書いています。2025年9月の笹塚の回の告知も、お客様も店員も「急がなくてもいい」カフェだと呼びかけていました。注文の前に吃音を伝えるかどうかは本人が決めることで、伝える場合は、謝らない形のほうが好意的に受け止められていたという研究のまとめがあります。

スタッフとして参加するにはどうすればいいですか?

公式ページに「スタッフに応募する」の窓口があります。2021年の最初の回のスタッフには、主宰者のSNSでスタッフ募集の告知を見て応募した高校生もいたと伝えられています。応募の条件は、窓口で確認してください。

東京で、吃音のある人どうしで話せる場はありますか?

東京言友会は例会を月2回(第2週土曜・巣鴨/第4週金曜・三田)開いていて、入会前の見学は事前連絡がいらず、途中参加もできると案内しています。東京都障害者福祉会館では、毎月第4日曜の午後に、東京言友会の相談員による無料の吃音相談が行われていると案内されています。いずれも取得時点の案内なので、行く前にご確認ください。

まとめ

  • 「吃音カフェ」の正式な名前は「注文に時間がかかるカフェ」。吃音のある若者が接客の夢に挑戦するために店員として立つカフェで、常設店はなく、依頼を受けて各地で開かれる。始まりは2021年8月の東京・世田谷だった。
  • 東京では、2026年8月4日に取得した公式ページに8つの区が並ぶ。2025年9月の渋谷区の回は、東京大学の研究センターと組んだ「急がなくていい吃茶店」として笹塚で開かれた。大田区・平和島の回は、地元の中学生が企画したと報じられている。
  • 同じ一覧で東京の次の回は2026年11月7日の荒川区。予約制の回の案内は約2週間前で、一般のお客さんを募集しない回もある。
  • 吃音の有無を問わず誰でも利用できる一般のカフェで、吃音のある人が客として行ってもよい。吃音を伝えるなら、謝らない形のほうが好意的に受け止められていたという研究のまとめがある。
  • 当事者どうしで話す場は別にあり、東京言友会の例会や東京都障害者福祉会館の無料の吃音相談がある。話しにくさそのものの相談先は、言語聴覚士とことばの教室。

参考文献

  1. 注文に時間がかかるカフェ|Slow Order Cafe 公式サイト(2026年8月4日閲覧)
  2. 東京大学 UTCP(University of Tokyo Center for Philosophy)「急がなくていい吃茶店 in 笹塚」イベント告知(2026年10月4日閲覧)
  3. 東京新聞「吃音の店員さん、笑顔紡ぐ1杯 平和島で『注文に時間がかかるカフェ』 地元の中学生が企画」2023年7月11日(会員限定記事。見出し・写真説明・掲載日のみ参照。2026年10月4日閲覧)
  4. 就労継続支援「れのあ」ブログ「吃音症の若者たちが働く、注文に時間がかかるカフェって知ってる?」2023年1月24日(2026年10月4日閲覧)
  5. 日本財団ジャーナル編集部「無理解で苦悩する吃音(きつおん、どもり)の若者たち。“注文に時間がかかる”カフェが夢を後押しする」2021年10月12日(2026年10月4日閲覧)
  6. 一般社団法人 東京言友会 公式サイト(2026年8月30日閲覧)
  7. 一般社団法人 東京言友会「東京都吃音者相談会」(2026年8月30日閲覧)
  8. 特定非営利活動法人 全国言友会連絡協議会「加盟団体一覧」(2026年8月30日閲覧)
  9. 日本吃音・流暢性障害学会 広報委員会「吃音について」
  10. Gerlach, Hollister, Caggiano & Zebrowski (2019) The utility of stuttering support organization conventions for young people who stutter. J Fluency Disord.
  11. Coalson, Rodriguez, Albaum, Allen & Byrd (2026) Self-disclosure of stuttering: A systematic review. J Fluency Disord.(テキサス大学オースティン校)

当事者の声の出典: V0153(note・shima)/ V0551(大学の公式発表・PR TIMES 2023年10月24日)/ V0349(埼玉新聞 2023年10月)/ V0351(琉球朝日放送 QAB NEWS 2025年7月1日)/ V0158(日本吃音臨床研究会「吃音相談室」に再掲された第16回ことば文学賞「昼飯の問題」)。いずれも公開記事。引用は原文どおり。話者を特定できる氏名は、原文や事実シートに記載があっても記事には書いていません。

更新履歴: 2026-08-30 公開/2026-10-04 改訂: 吃音カフェとは何か・東京の回(笹塚・平和島)・吃音のある人が客として行くときのことを追記、終わった日程を整理し、公式ページの取得日を8月4日に訂正